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フランスの家庭料理と三好流アレンジ第1回「自宅で、もっと気軽にフレンチを」

Interview インタビュー

料理研究家 三好 万記子先生
※プロフィール
パリに3年間滞在するうちにフランスの食文化に興味を持ち、 Le Corden Blue Parisへ入学。フランス人マダムより家庭料理を、Ritz Escoffier Parisでは菓子作りを学ぶ。帰国後、自宅で料理教室を主催するほか、テーブルコーディネートも教えている。また、パーティなどの出張料理やケータリングも行っている。
※資格
・Le Corden Blue料理ディプロマ
・Ritz Escoffier Paris菓子ディプロマ
・インテリアコーディネーター
※活動内容
雑誌掲載、レシピ提供、メニュー開発、カルチャーセンター講師、食育セミナー、料理教室
三好 万記子 フランス料理教室 Table d'or 主宰 http://www.tabledor.net/

フランス料理に対する誤解とは?

フランス料理と言えば敷居が高い、食材は日本にない特別なもの、濃厚なバターをふんだんに使う高カロリーメニュー…日本では一般的にそんなイメージを持たれているようですが、実は誤解なんです。確かに古典的なフランス料理は濃厚なソースを使ったものが多いため生クリームやバターを多用しますが、料理も時代と共に変化するもの。今のフランス料理の主流は素材のうま味を生かしたローカロリーメニューで、むしろ日本料理と共通点が多いことが特徴的。日本で手に入る食材だけで十分作れますし、いろいろなアレンジも楽しめるので、フランス料理をもっと身近に日々の食卓に取り入れていただきたいですね。

野菜や果物は形よりも安全性を重視

フランスの家庭料理では旬のお野菜をたくさん使います。ハウス栽培があまりないため季節折々の食材が中心になるのですが、週に一回はマルシェ(市場)で野菜や果物を買い込むのが一般的。日本のスーパーではぴかぴかに光ったおいしそうな果物をよく目にしますが、マルシェでは形が整っていなくて大きさもバラバラな野菜や果物が平然と並んでいます。ちょっと前の日本と同じですね。有機栽培を意識する人が多いので外見は気にしなくて当たり前、形にはこだわらずに安全性を優先させているようです。

手軽に作って、食卓をキレイに演出

味つけは、みなさんのイメージにあるような濃厚なソースはそれほど使わずに、蒸し焼きにしたり、あぶったり、意外とあっさりしたものが多いんですよ。また、フランス料理は手間がかかるイメージがありますが、家庭では添加物の入っていないスープストックを使って手軽に作るなど、私たちが参考にできる手法もたくさんあります。
ただし、きれいに見せる盛りつけは懐石料理に近いものがあり、食器やテーブルコーディネートでクラス感をアップさせるテクニックは、さすがです。テーブルクロスの色の合わせ方や食器の重ね方で簡単に素敵に見せてしまうセンスは、ぜひ見習って日常に取り入れたいものです。

三好流・ボーダーレスなフランス料理

3年間、パリのコルドンブルーで学んだフランス料理に私なりのアレンジを加えて自宅の料理教室のオリジナルレシピを開発しているのですが、いつも心がけているのは「意外な食材の組み合わせ」。食材にレンコンや聖護院大根を使うなど、フランス料理の手法ながら日本の野菜を使うことで、ひと味違った新しさが生まれるようにしています。
他にも、雑穀とグラタンスープのマッチングも独特の食感が大好評。サザエをエスカルゴバターと赤ワインで煮込んだものも、その組み合わせの妙が評判となりました。


北フランスは王道を行く昔ながらの古典派フレンチなのですが、地中海に近くなると海の幸を生かした素朴な味が主流になるなど、地域によっても特徴が変わってきます。南フランスの懐石料理に近い味は日本人の口にも合いやすいので、それらをミックスし、アレンジを加えることでまだまだ魅力的なメニューが広がりそうですね。


ソースの生クリームを牛乳に変えたり、ボタージュの生クリームを豆乳に変えたり、新しいフランス料理のテイストと和素材、日本料理をうまく組み合わせたメニューを考えていきたいと思っています。

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